電子回路 直流回路

B. 直流回路解析(DC Circuit Analysis)

直流(DC)回路では、電圧・電流が時間とともに変化しないか、 ゆっくり変化する程度として扱う。 回路解析の基本は「KCL + KVL + 素子の I–V 関係」である。

B1. 直列回路・並列回路

(1) 直列接続(Series Connection)

(2) 並列接続(Parallel Connection)

(3) 電圧分割・電流分割

電圧分割(直列抵抗): \[ V_1 = \frac{R_1}{R_1 + R_2} V \] 電流分割(並列抵抗): \[ I_1 = \frac{R_2}{R_1 + R_2} I \]

B2. 電力とエネルギー

(1) 電力の基本式

\[ P = VI = I^2 R = \frac{V^2}{R} \]

(2) エネルギー

\[ W = Pt \] 一定電力の場合は時間で積分すればよい。

(3) 電力消費と発熱

実際の抵抗は電力を熱として消費する。 定格電力(1/4W, 1/2W など)を超えると破損する。

B3. 節点電圧法(Node Voltage Method)

KCL とノードの電位を未知数とする最も一般的な解析法。

(1) 基本手順

  1. 基準ノード(GND)を 1 つ決める
  2. 他のノードの電圧(相対電位)を未知数とする
  3. 各ノードで KCL を立てる (流出電流の和 = 0 と書くのが定番)
  4. 連立方程式を解いてノード電圧を求める

(2) 基本形

ノード \(v_1\) に対して: \[ \frac{v_1 - v_a}{R_a} + \frac{v_1 - v_b}{R_b} + \cdots = 0 \]

(3) 長所

B4. メッシュ電流法(Mesh Current Method)

(1) メッシュとは

独立した最小閉ループのこと。 各メッシュに「循環電流(メッシュ電流)」を割り当てる。

(2) 基本手順

  1. メッシュ電流 \(I_1, I_2, ...\) を任意方向で設定する
  2. KVL をメッシュごとに立てる
  3. 連立方程式を解き、電流・電圧を求める

(3) KVL 例

\[ R_1 I_1 + R_3(I_1 - I_2) = V_s \]

(4) 特徴

B5. テブナンの定理・ノートンの定理

(1) テブナンの定理(Thevenin)

どんな複雑な 2 端子回路も 電圧源 \(V_{\text{th}}\) + 直列抵抗 \(R_{\text{th}}\) に等価変換できる。

(2) ノートンの定理(Norton)

どんな 2 端子回路も 電流源 \(I_{\text{N}}\) + 並列抵抗 \(R_{\text{N}}\) に等価変換できる。

(3) テブナン ⇄ ノートン変換

\[ V_{\text{th}} = I_{\text{N}} R_{\text{N}} \]

B6. 重ね合わせの原理(Superposition)

線形回路では、複数の独立電源があるとき 各電源の寄与を足し合わせればよい

(1) 手順

  1. 1 つの電源だけを残し、その他はゼロにする
  2. 電圧源は短絡、電流源は開放として扱う
  3. 回路を解いて、その電源による出力を求める
  4. すべての電源の寄与を加算する

(2) 注意

ダイオード・トランジスタなど非線形素子がある場合は 重ね合わせの原理は使えない。

B7. ブリッジ回路(Wheatstone Bridge)

精密抵抗測定・センサ回路(ひずみゲージ・熱電対の補正)で多用される。

(1) 平衡条件

\[ \frac{R_1}{R_2} = \frac{R_3}{R_4} \] このとき、ブリッジ中央の電圧差は 0 となる。

(2) 応用例

参考URL

 

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