電子回路では、信号の周波数成分を選別するフィルタや、 自ら周期信号を生成する発振回路が重要な役割を果たす。
本章では、受動フィルタ(RC/LR/LC)、アクティブフィルタ、 RC 発振・LC 発振・クリスタル発振(Xtal)まで体系的に整理する。
抵抗 R とコンデンサ C の一次遅れ回路: \[ H(j\omega)=\frac{1}{1 + j\omega RC} \] カットオフ周波数: \[ f_c = \frac{1}{2\pi RC} \]
\[ H(j\omega)=\frac{j\omega RC}{1 + j\omega RC} \] 低周波を遮断し、高周波を通す。
LC 回路の共振周波数: \[ \omega_0 = \frac{1}{\sqrt{LC}},\quad f_0=\frac{1}{2\pi\sqrt{LC}} \] Q 値: \[ Q=\frac{\omega_0 L}{R} \]
代表的な 2 次フィルタ構成。 力率の良いロールオフが得られる。
周波数応答を
位相: \[ \phi(\omega) = -\tan^{-1}(\omega RC) \]
Q 値に応じてピークやオーバーシュートが現れる。
フィードバック回路が自ら正弦波や矩形波を生成する現象。
発振が始まるための条件:
この条件を満たすよう RC や LC を選ぶと、 望む周波数で発振させることができる。
3 段 RC(各 60°)で合計 180° の位相遅れを作り、 増幅器の 180° と合わせて 360° になる構成。
発振周波数: \[ f_0 \approx \frac{1}{2\pi \sqrt{6} RC} \]
正弦波発振器の代表。安定した正弦波が得られる。
発振周波数: \[ f_0 = \frac{1}{2\pi RC} \]
電球・ツェナー・JFET などを用いて 振幅が暴走しないように制御する。
LC 共振回路の自然振動周期を利用する発振方式: \[ f_0 = \frac{1}{2\pi\sqrt{LC}} \]
水晶は圧電効果により、非常に高い Q 値の共振を示す。 周波数安定度が非常に高く、時計・マイコン・通信機器で不可欠。
水晶は LCR の直列・並列共振器として等価化される。
ppm(百万分率)単位の高い安定度を持ち、標準信号源として使用される。
フィルタと発振回路は、アナログ電子回路の「周波数領域の直感」を養う重要なテーマである。