電子回路 フィルタ・発振回路

I. フィルタ・発振回路(Filters & Oscillators)

電子回路では、信号の周波数成分を選別するフィルタや、 自ら周期信号を生成する発振回路が重要な役割を果たす。

本章では、受動フィルタ(RC/LR/LC)、アクティブフィルタ、 RC 発振・LC 発振・クリスタル発振(Xtal)まで体系的に整理する。

I1. 受動フィルタ(Passive Filters)の基礎

(1) RC ローパスフィルタ(LPF)

抵抗 R とコンデンサ C の一次遅れ回路: \[ H(j\omega)=\frac{1}{1 + j\omega RC} \] カットオフ周波数: \[ f_c = \frac{1}{2\pi RC} \]

(2) RC ハイパスフィルタ(HPF)

\[ H(j\omega)=\frac{j\omega RC}{1 + j\omega RC} \] 低周波を遮断し、高周波を通す。

(3) RLC の共振特性

LC 回路の共振周波数: \[ \omega_0 = \frac{1}{\sqrt{LC}},\quad f_0=\frac{1}{2\pi\sqrt{LC}} \] Q 値: \[ Q=\frac{\omega_0 L}{R} \]

I2. アクティブフィルタ(Active Filters)

(1) Sallen–Key ローパスフィルタ

代表的な 2 次フィルタ構成。 力率の良いロールオフが得られる。

(2) バンドパス / バンドストップ

(3) バターワース・チェビシェフなどの設計

I3. ボード線図(Bode Diagram)

(1) ボード線図とは

周波数応答を

で表した図。

(2) 1 次ローパスのボード線図

位相: \[ \phi(\omega) = -\tan^{-1}(\omega RC) \]

(3) 2 次フィルタの特徴

Q 値に応じてピークやオーバーシュートが現れる。

I4. 発振条件(Barkhausen Condition)

(1) 発振とは

フィードバック回路が自ら正弦波や矩形波を生成する現象。

(2) Barkhausen 条件

発振が始まるための条件:

この条件を満たすよう RC や LC を選ぶと、 望む周波数で発振させることができる。

I5. RC 発振回路(RC Oscillators)

(1) 位相シフト発振器

3 段 RC(各 60°)で合計 180° の位相遅れを作り、 増幅器の 180° と合わせて 360° になる構成。

発振周波数: \[ f_0 \approx \frac{1}{2\pi \sqrt{6} RC} \]

(2) ウィーンブリッジ発振器(Wien Bridge)

正弦波発振器の代表。安定した正弦波が得られる。

発振周波数: \[ f_0 = \frac{1}{2\pi RC} \]

(3) 振幅安定化

電球・ツェナー・JFET などを用いて 振幅が暴走しないように制御する。

I6. LC 発振回路(LC Oscillators)

(1) LC 発振の基本原理

LC 共振回路の自然振動周期を利用する発振方式: \[ f_0 = \frac{1}{2\pi\sqrt{LC}} \]

(2) 代表的な LC 発振器

(3) 特徴

I7. 水晶振動子(Crystal Oscillator)

(1) 圧電効果を利用した共振

水晶は圧電効果により、非常に高い Q 値の共振を示す。 周波数安定度が非常に高く、時計・マイコン・通信機器で不可欠。

(2) 等価回路

水晶は LCR の直列・並列共振器として等価化される。

(3) 発振周波数の精度

ppm(百万分率)単位の高い安定度を持ち、標準信号源として使用される。

I8. 実際の設計ポイント

フィルタと発振回路は、アナログ電子回路の「周波数領域の直感」を養う重要なテーマである。

参考URL

 

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