電子回路 ノイズ対策

K. ノイズ・EMC/EMI 対策(Noise & EMC Countermeasures)

電子回路の信頼性を決める最大要因のひとつがノイズ対策である。 半導体・センサ・アナログ回路はノイズに敏感であり、 適切な回路設計・配線設計・シールド・フィルタが必須になる。

本章では次の内容を整理する:

K1. ノイズの分類

(1) 熱雑音(Johnson Noise)

抵抗内部の熱運動に起因する不可避ノイズ: \[ v_n = \sqrt{4kTR \Delta f} \] (k:ボルツマン定数, T:絶対温度)

(2) ショットノイズ(Shot Noise)

半導体中のキャリアの離散性による: \[ i_n = \sqrt{2 q I \Delta f} \]

(3) フリッカーノイズ(1/f Noise)

低周波で増大するノイズ。MOSFET で目立つ。

(4) スイッチングノイズ

トランジスタやスイッチング電源の高速スイッチング動作により発生。

(5) 外来ノイズ

K2. ノイズの伝導経路

(1) 伝導ノイズ(Conducted Noise)

(2) 放射ノイズ(Radiated Noise)

(3) ノイズ三要素(発生源・伝搬路・被害側)

EMC 対策では 発生源を弱くする → 伝搬路を遮る → 被害側を強くする の順に対策を検討する。

K3. 電源ラインのノイズ対策

(1) デカップリングコンデンサ

IC の電源ピン直近に 0.1 µF を配置し、局所的な電流変動を吸収する。

(2) バルクコンデンサ

電源ライン全体のリップル低減を目的とした大容量コンデンサ(10–1000 µF)。

(3) LC フィルタ / π フィルタ

\[ L - C \quad \text{または} \quad C - L - C \] の構成で高周波ノイズをカット。

(4) フェライトビーズ

高周波ノイズ成分を選択的に吸収する素子。

(5) グラウンドのスター接続

大電流ライン・アナログ回路・デジタル回路を一点に集約。

K4. アナログ回路のノイズ対策

(1) 高インピーダンスノードの短縮

アンテナ化しやすく、外来ノイズを拾いやすい。 配線を短く、シールドを使用する。

(2) シールド線の使用

センサの信号線はシールドケーブルを使用し、片側接地とする。

(3) 差動信号の利用

ノイズ成分が両線に共通で乗れば、差動アンプで除去できる。

(4) バンド幅制限(ローパスフィルタ)

必要な帯域だけ通し、不要な高周波ノイズを取り除く。

(5) アナログ・デジタルのレイアウト分離

ADC 周辺は特にデジタルノイズの混入を防ぐ必要がある。

K5. デジタル回路のノイズ対策

(1) スイッチング電流が大きい

CMOS は高速でオン/オフするため、電源ラインに大きな di/dt が流れる。

(2) 遅延・反射の防止(終端)

高速配線ではインピーダンス整合が必要:

(3) グラウンドバウンスの低減

同時スイッチングで GND 電位が揺れる問題。 → デカップリングを局所に配置、GND 配線を太く短く。

(4) クロストーク低減

K6. シールド(電磁遮蔽)

(1) 電界シールド

金属ケースにより電界を遮断(低周波・高周波どちらにも有効)。

(2) 磁界シールド

μ-metal のような高透磁率材料で磁束を迂回させる。 低周波磁界には金属シールドよりこちらが有効。

(3) ケーブルシールドの接地方法

K7. EMC / EMI の基本

(1) EMC とは

電子機器が

状態を満たすこと。

(2) EMI の低減

(3) ESD(静電気放電)対策

K8. 実務的ノイズ対策チェックリスト

参考URL

 

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