音楽理論 ドミナントの発展

4-1. ドミナントの役割と特徴

ドミナント(V7)は、ジャズ和声の中心であり、 トニックへ向かう最も強い解決力 を持つ。

◆ ドミナントの特徴

例:G7 → C△7
B(3rd) → C(トニックのルート)
F(7th) → E(トニックの3rd)

4-2. セカンダリードミナント(Secondary Dominant)

セカンダリードミナントとは、 キーの中で **V7 以外にも「臨時で」ドミナントを作る方法**。

◆ 例:Cメジャーキー

キーの中のすべてのダイアトニックコードに対して “そのコードへの V7” を作れる:

使い方の基本は:

ドミナントを加えることで進行を強調する

例: Dm7 | G7 → C を Dm7 | G7 | C → Dm7 | A7 | Dm7 | G7 | C のように強化できる。

4-3. 裏コード(♭II7)

裏コードとは、V7 の代理として使える トライトーン置換(♭II7) のこと。

例:G7 の裏コードは A♭7。

◆ なぜ裏コードになるか

G7:B – F(トライトーン)
A♭7:C♭(=B) – G♭(=F♭)

→ 3rd と 7th が「同じトライトーン」を含むため、 解決方向が似ている。

◆ 進行例

Dm7 → G7 → C

Dm7 → A♭7 → C

と置き換えることで、半音下降の印象的な進行を作れる。

4-4. トライトーン・サブスティチュート(代理コード)

トライトーン(増4度/減5度)を共有するコードは、 互いにドミナントの代理として使える。

◆ 代表例

よって、II–V–I の V を置き換えると:

Dm7 → G7 → C の代わりに Dm7 → D♭7 → C

という進行が作れる。

この「サブV」はジャズで非常に頻出する。

4-5. オルタードテンションとスケール

ドミナント上のテンションとして、 ♭9, #9, #11, ♭13 が特に重要。

◆ G7 のオルタードテンション

◆ 対応スケール:オルタードスケール

G7alt → A♭メロディックマイナーの 7th モード (= G A♭ A# B C# E♭ F)

このスケールは、上記すべてのオルタードテンションを含むため、 ジャズの「外し→解決」の典型的な音使いとなる。

4-6. リディアン♭7とサブドミナント・ドミナント(SD→D)

Lydian ♭7(リディアン・フラット7) は、 「IV△7 の上にできるドミナント」的な響きを持つスケール。 ジャズでは 7sus4、13(#11) のような柔らかいドミナントに使われる。

C7(9, #11, 13) → F△7 のような動きのときに効果的。

対応スケール: Gメロディックマイナー(4th モード) → C D E F# A B♭

4-7. ドミナント処理の総まとめ

ジャズのドミナントは複雑に見えるが、 基本的には次の 3 つで整理できる:

◆ (1) 機能としてのドミナント(V7)

◆ (2) 発展形(Secondary Dominant)

◆ (3) 代理コード(Tritone-Sub / 裏コード)

◆ (4) オルタードテンション

この章の内容は、 ジャズの「自由度の高いコード進行」を理解するための核心部分となる。 次の第5章では、これらを使った代表的なコード進行(II–V–I、循環、リディアン、コルトレーンチェンジ)を扱う。

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