音楽理論 コード進行

5-1. 代表的コード進行の全体像

ここでは、ジャズで頻出する典型的なコード進行パターンを整理する。 スタンダード曲の多くは、これらの組み合わせでできていると言ってよい。

コード進行を丸暗記するというより、機能(T/S/D)とセットで把握することがポイント。

5-2. メジャーキーの II–V–I

ジャズで最重要の進行が II–V–I。 これは「サブドミナント → ドミナント → トニック」の流れそのもの。

◆ Cメジャーキーの例

Dm7 → G7 → C△7

◆ II–V の連結

多くの曲は、キーが変わっても II–V の「ペア」が連続して現れる。

例: Dm7 – G7 | C△7 – A7 | Dm7 – G7 | C△7 … など、別キーへのセカンダリードミナントを挟みながら循環する。

実戦上は、譜面を見たときに「これは II–V–I のかたまりだな」と認識できることが重要。

5-3. I–VI–II–V(循環コード)

もうひとつの超頻出パターンが I–VI–II–V。 「循環コード」と呼ばれ、多くのスタンダードで登場する。

◆ Cメジャーキーの例

C△7 → Am7 → Dm7 → G7

この 4つを 1小節ずつ並べて、延々と回す曲も多い。 バラードやスタンダードでよく聞く「ジャズの定番進行」のひとつ。

◆ 応用:セカンダリードミナントを混ぜる

例:C△7 | A7 | Dm7 | G7 のように、Am7 を A7 にして「Dm7 への V7」にすることで、 進行の力を強めることもよく行われる。

5-4. ターンアラウンド(Turnaround)

ターンアラウンドとは、「ある区切りから次の頭(I)に戻るための短い進行」のこと。 多くの場合、1〜2小節で I に戻る動きを作る。

◆ 代表例(Cメジャー)

I(C)に戻る前の 1〜2小節で 「I → VI → II → V」でぐるっと回って頭に戻る、というイメージ。

◆ ブルースや Rhythm Changes にも登場

ターンアラウンドは、12小節ブルースの最後の2小節や、 Rhythm Changes の終わりにも頻出する。

5-5. マイナーの II–V–I

マイナーキーの II–V–I は、 ジャズスタンダードで非常によく出てくる重要進行。

◆ Aマイナーキーの例

Bm7♭5 → E7 → Am(△7 または m6)

実戦では、V7 に ♭9, ♯9, ♭13 などのオルタードテンションを加えて Im への解決感を強くすることが多い。

◆ 代表的な曲の例

5-6. Rhythm Changes(リズムチェンジ)の概要

「Rhythm Changes」とは、 Gershwin の "I Got Rhythm" のコード進行を基にした形式の総称。 ビバップ以降のジャズで定番となった。

◆ B♭メジャーの典型的なAセクション(かなり簡略化した形)

| B♭△7 | G7 | Cm7 | F7 | | B♭△7 | G7 | Cm7 | F7 |

または、より II–V を強調した形で:

| B♭△7 | Gm7 C7 | F7 | F7 | など、様々なバリエーションがある。

◆ ポイント

5-7. Coltrane Changes(発展的トピックの入口)

Coltrane Changes(コルトレーンチェンジ)は、 「Giant Steps」などに代表される、 長3度間の転調を高速で行き来する進行。

◆ ざっくりしたイメージ

C を中心とすると、おおよそ:

これら 3つの中心に対して、それぞれ II–V–I を組み合わせることで、 非常にダイナミックなチェンジが生まれる。

初学者段階では「こういう発展的な世界もある」程度の認識で十分。

5-8. 代表的コード進行のまとめと練習の指針

この章で扱った進行は、ほとんどのスタンダードに頻出する「基礎体力」である。

◆ 練習の指針(実用的な最低ライン)

ここまでの内容(第1〜5章)が身についていれば、 ジャズの多くのスタンダード曲で「何が起こっているのか」を 理論的に説明できるようになってくる。

参考URL

 

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